リトル・インディア・ガイド - Little India
リトル・インディア
リトル・インディアは、シンガポールのダウンタウンの北東部、セラングーン・ロードを中心に広がっています。ブギス&アラブ・ストリート・エリアの西北部にあたり、 駅で言えば、ちょうどMRT北東(ノース・イースト)線のリトルインディア駅とファーラーパーク駅の2駅の東側です。
MRT東北線リトル・インディア駅近く、セラングーン・ロードとブキ・ティマ・ロードが交差する場所に鮮やかな青緑色のビルがあります。 シンガポール最大の規模のマーケット、テッカ・センター/Tekka Centerです。
テッカ・センターの隣には、インド系の店がギッシリと入ったリトル・インディア・アーケード、あるいはショッピング・センターのテッカ・モールなどがあります。 ファーラーパーク駅方面に足を伸ばせば、シンガポールの「ドンキ」ことムスタファ・センターというショッピング・センターもあります。
リトル・インディアは、 MRT東北線リトル・インディア駅方面からファーラー・パーク駅方向に向かって走るセラングーン・ロードを中心に、 セラングーンロードと枝分かれしている路地から構成されています。それぞれの路地には特徴があるので、 セラングーン・ロードと路地を行き来しながら散策すれば、インド色の強い街の様々な顔を効率的に楽しむことができます。
このエリアの中心となる、シンガポール最大のイスラム寺院、サルタン・モスクや、マレー・ヘリテージ・センターを始め、街の通りには今でもアラブ風の名前が残っています。
ところで、週末の夜には、シンガポール全土にいるバングラ系労働者たちがリトルインディアに集まり、ショッピング、食事、友人・知人たちとの談笑 に嵩じます。その人出たるや凄まじい混雑となります。ことに日曜日の夜ともなると、テッカ・センター界隈を初めリトルインディア全体が、 バングラ系労働者で埋め尽くされてしまうため、観光は避けた方が無難です。
アクセス
MRT東北線リトル・インディア駅
MRT東北線ファーラー・パーク駅
リトル・インディアの詳細地図
リトル・インディア周辺の見所スポット&ショッピング・スポット
- テッカ・センター - Tekka Center
- シンガポール最大規模の、モダンなマーケットです。
入り口近辺は、ホーカーズ。その奥がK.K.マーケットと呼ばれる市場です。
1階は新鮮な果物、野菜、魚、肉、香辛料などを扱っています。
2階にはインド系の衣料品などを扱う店などが入っています。
シンガポールでは、ズージャオセンター、あるいはKKマーケットとも呼ばれています。
アクセス:MRT東北線リトル・インディア駅より徒歩3分
時間:6時頃~18頃 - リトル・インディア・アーケード - Little India Arcade
- セラングーン・ロードを挟んでテッカ・センターの向かいにあるアーケード街です。
もともとは1913年に作られたアールデコ様式のショップハウスの集まりだったところが、歴史的景観保存の再開発され、
ショッピングアーケードへと生まれ変わっています。
インド系のCD、アクセサリー、テキスタイル、香辛料、サリーなどを扱うショップが入っています。
インド政府直営のショップ「ハンドルームス」は、シルクやインド綿を使った小物や洋服から、じゅうたんまで人気です。なお、
リトル・インディア・アーケード周辺は、地元インド系住民の下町といった風情で、
インド系の店が沢山、あります。
アクセス:MRT東北線リトル・インディア駅より徒歩5分 - テッカ・モール - Tekka Mall
- スンゲイ・ロードを挟んで2つの建物で構成されているショッピング・センターです。
西側の棟には地下2階から6階まで。東側の棟の1階はFood Moreと呼ばれるフード・コート、
2階は食料品や日常雑貨の売り場です。
アクセス:MRT東北線リトル・インディア駅より徒歩5分
時間:10時頃~21時頃 - ムスタファ・センター - Mustafa Center : Mustafa Online
- セラングーン・ロードをファーラー・パーク駅方向に歩くと、
右側にショッピング・センターのセラングーン・プラザに行き当たります。
そこで、シード・アルウィ・ロードを右折すると
24時間営業の激安ショッピング・センター、ムスタファ・センターがあります。
ブランド化粧品から電化製品、パソコン、インド音楽CD、
そしてスパイスをはじめ豊富な種類のインド食材を扱うショップが入った
“シンガポールのドンキホーテ”といった風情。
また、入り口近くと地下1階にある両替屋は、非常にレートが良いです。
住所:145 Syed Alwi Road
アクセス:MRT東北線ファーラー・パーク駅より徒歩3分
時間:24時間
休み:無休
- スリ・ヴィラマカリアマン寺院 - Sri Veeramalaiamman Temple
- 1881年に建立されたリトルインディアのランドマーク的な寺院で、シヴァ神、ヴィシュヌ神、カーリー神を祀っています。
極彩色に輝く神像、熱心に祈るヒンドゥー教徒の姿を見ることができます。
住所:141 Serangoon Road
アクセス:MRT東北線リトル・インディア駅より徒歩5分
時間:5時30分~12時15分、16時~21時
料金:無料
休み:無休 - スリ・スリニバサ・ペルマル寺院 - Sri Srinivasa Perumal Temple
- 1985年に建立されたヒンドゥー教のヴィシュヌ神を祀る寺院です。
極彩色の9層のゴームラム(高門)をはじめ、鮮やかな彩りの神像、宗教画があります。
1978年にシンガポールの重要記念建築物に指定されています。
セラングーン・ロード沿い、ファーラー・パーク駅近くです。
住所:397 Serangoon Road
アクセス:MRT東北線ファーラー・パーク駅より徒歩3分
時間:5時45分~12時、17時~21時
料金:無料
休み:無休 - スリ・バデパティラ・カリアマン寺院 - Sri Vadapathira Kalimman Temple
- 1870年ごろ建立された、ヒンドゥー教寺院です。
カーリー神を祀っており、ゴープラム(高門)をはじめ、数々のヒンドゥー教の神像が鮮やかです。
住所:Serangoon Road
アクセス:MRT東北線ファーラー・パーク駅より徒歩8分
時間:7時30分~21時30分
休み:無休 - マスジッド・アブドゥル・ガフール - Masjid Abudul Gafoor
- ムーア式と南インド式が融合した美しいモスクです。
住所:Dunlop Street
アクセス:MRT東北線リトル・インディア駅より徒歩10分
時間:9時~18時(土曜13時まで)
料金:無料
休み:日曜、祝日 - 千燈寺院(シャカ・ムニ・ブッダガヤ寺院) - Temple of Thousand Lights
-
1927年にタイの僧侶、プティーサーサラ師によって建立された仏教寺院です。
高さ15メートルの仏像を、108個の法燈が囲んでいます。
住所:366 Race Course Road
アクセス:MRT東北線ファーラー・パーク駅より徒歩5分
時間:8時~16時45分
料金:無料
休み:無休 - 龍山寺 - Leong San See
- 1917年に建立された道教の寺院です。奥の祭壇には観音像が祀られており、屋根には龍の彫刻があります。
レース・コース・ロードを挟んで千燈寺院の斜め向かいに位置しています。
住所:371 Race Course Road
アクセス:MRT東北線ファーラー・パーク駅より徒歩5分
時間:5時30分~17時30分
料金:無料
休み:無休
リトルインディアの小道・路地の特徴
セラングーンロード南側
- キャンベンル・ロード / Campbell Road
- リトル・インディア・アーケードの横の通りがキャンベル・ロードには、ヒンズーの神様のお供えに使う道具やヒンドゥー教の神様のブロマイド、インド系家庭の食器類、楽しい小物があるなどなど雑貨屋「JOTHI」など。お土産探しにも!
- ダンロップ・ストリート / Dunlop Street
- ちょっと古ぼけた建物に、インド音楽のCD屋、両替商、雑貨、民族衣装や布地屋さんが多く並んでいます。路地の奥には、美しいアブドゥル・ガーファー・モスクがあります。
- アッパー・ディクソン・ロード / Upper Dickson Road
- アッパー・ディクソン・ロードには、ベジタリアン・レストランが多くありますシンガポールの有名な有名なベジタリアン・レストラン、コマラヴィラもあります。ヒンズー教徒は、牛肉を食べないだけでなく、完全なベジタリアンも多くいます。
- カフ・ロード / Cuff Road
- インド系のお店の中に、中国系のお店が混在した通りです。セラングーンロード側近くのスパイスを引いているお店から、香りも!
- ヴェラサミー・ロード / Veerasamy Road ~ノリス・ロード / Norris Road
- ちょっと閑散としており、あまり観光するスポットはないような・・・ただし安いゲストハウスがあったりします。
- ヒンドゥー・ロード / Hindou Road
- ちょっと怪しげな通りで、シンガポールでは、治安の悪いところとして知られているそうな・・・。夜間は注意を。
- ローウェル・ロード / Rowell Road
- バングラデシュから輸入した魚や野菜を売っている店などがあり、バングラ系出稼ぎ労働者たち憩いの場。
- シード・アルウィ・ロード / Syed Alwi Road
- リトルインディアの端となる通り。シンガポールの「ドンキ」として、一部の観光客にも人気の24時間営業の激安インド系ショッピングセンター、ムスタファ・センター / MUSTAFA CENTER があります。
セラングーンロード北側/h4>
- バッファロー・ロード
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バッファロー・ロードにタクシースタンドがあります。リトルインディアの散策に疲れて、タクシーで移動した時には便利です (^_^;
- ケルバウ・ロード / Kerbau Road
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雑貨や布地、インド綿のサリー、パンジャビ・ドレスなどを扱う小さなショップが並んでいます。絵を扱う店にはサイババの巨大な写真も (^_^;
- チャンダー・ロード / Chander Road
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小さなコーヒーショップやレストランが立ち並んでいる通りです。あたりは、バングラ系労働者たちの憩いの場となっています。
- レース・コースロード / Race Course Road
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セラングーン・ロードの北側を平行して走るレース・コースロード界隈には、シンガポールのオリジナルフードである、
フィッシュ・ヘッド・カレーの超有名店があります。「ムツーズ・カリー」と、バナナの葉に料理を持って出す「バナナリーフ・アポロ」いうレストランです。
どちらも、辛いことで有名な南インド料理のレストラン。
濃厚なカリーソースで絶品のフィッシュ・ヘッド・カレーを味わうことができます。是非、賞味したいところ!
リトルインディアの歴史・成り立ち
シンガポールに初めてインド人が渡って来たのは19世紀初頭です。その後、インド東部や北部から商人や労働者たちが移住するようになり、19世紀終わり頃には、シンガポールにインド人社会が形成されたと言われています。
そもそも各エスニック集団のコミュニティの由来は、スタンフォード・ラッフルズ率いるイギリス東インド会社の政策にあります。各国からの移民に対し、民族、エスニック集団ごとに居住する地域を定める植民地政策を採っていました。
ところが、リトル・インディアはちょっと異なる歴史をもっています。当初、インド系の住民に与えられた地域は、現在のクラーク・キーの対岸付近やボートキーの裏あたり。現在、リトルインディアがあるセラングーン・ロード周辺は、当初はマングローブの生い茂る湿地帯でした。
ところが、1828年に植民地政府によってシンガポール本島縦断道路の建設が開始。セラングーン・ロード周辺に道路ができたことを契機に、中国人たちが野菜畑や砂糖のプランテーションを始めました。1836年にはローチョール・キャナル(運河)も出来、利便性を高まりました。
1840年代に入ると、シンガポールで最初の競馬場ができ(現在のリトル・インディアのレース・コース・ロード北にあるファーラーパーク公園)、ヨーロッパ系の住人が瀟洒な邸宅を建てて暮らすにようになりました。
リトルインディアを最初に問した時、「Dunlop」という欧米風の名前の道の名前を見て「うん?」と思ったものです。こうした「Dunlop」「Dickson」「Clive」といった欧米の名前が通り名になっているのは、当時の欧米系住民の邸宅へ向かう道の名残り、ということを後で知りました。
やがて、シンガポールで産業が発展していくにつれ、輸送や動力として、牛の取引・輸入が盛んになりました。セラングーンロード付近は、元々沼地のため、水も豊富で緑豊かな土地だったことから、牛の貿易取引拠点へと発展。こうしてセラングンロード付近にインド系の住人が、増えてきたという経緯があります。
ちなみに、インド系の住民は1820年代にイスタナや、セント・アンドリュー教会といった大規模な建設に従事するためインドからやってきたことを皮切りに、シンガポールの建設ラッシュに応える労働力としてインドからやってきた人々が沢山、います。
20世紀に入ると、牛の貿易以外にも小売・商業の業者が増え、セラングーンロード周辺には、多くのショップハウスが登場。1915年には、現在のズジャオセンターの前身であるカンダン・カーバウ・マーケットも完成。セラングーンロード周辺は、牛貿易の拠点から商業地区へと変貌していきました。
こうして、あたりはインド系の人々を中心とした商業地、住宅地として戦後も発展していきました。1960年代に入ると政府の住宅政策によって、リトルインディアのショップ・ハウスに住んでいた住民はHDBと呼ばれる公団住宅に移り住むようになり、リトルインディアは、完全に小売商業地区となっています。
1989年にはリトルインディア地区は歴史的景観保存地区に指定され ショップハウスの改装保存の工事もスタートし、観光地としての顔を持つようになり、現在に至っています。